きのこの持ち味を活かす鍋、3つのポイント

ひとつの鍋を、みんなで囲む。それは、体も心もあたたまる、おいしいひと時。
切った具材を入れ、煮込むだけ。簡単な調理で一度にさまざまな食材をとることができ、そのうえ洗い物も少ない。
作る人にも食べる人にもうれしい鍋は、寒い季節の定番です。

  1. きのこ本来の旨みを感じられるシンプルな味つけがおすすめ
  2. きのこの栄養素の多くは水溶性。スープも残さず、シメまで楽しんで
  3. 充実した栄養素と、控えめなカロリー。健康と美容にもうれしい
雪国まいたけ
味と食感、品質・鮮度を大切に、自生する状態に近い大きな株で、約3ヶ月かけて栽培。鍋はもちろん、炒め物や炊き込みごはんなど、さまざまな料理とあう万能きのこです。保存は新聞紙に包み、冷蔵庫へ。
雪国えりんぎ
一般のえりんぎより水分量をおさえることで、食感up。香りにクセがあるので、海老やエスニック味料など、ひとクセある食材と相性よし。使いやすい大きさにさき、干すか冷凍保存。干すとビタミンDが増します。
雪国しめじ恵み
のびのび育った、ボリューム感のあるしめじ。クセがなく歯ごたえもよいので、旨味が少し欲しい時に足すとよいでしょう。使いやすい大きさにほぐし、冷凍保存がおすすめ。調理する時は、凍ったまま使って。

Day1:きのこたっぷり中華風雪国鍋

芯から温まるスープは、細かく刻んだきのこの食感が楽しい

材料(4人分)

雪国まいたけ2パック
雪国えりんぎ1パック
雪国しめじ1パック
もやし2袋
豚ひき肉200g
長ねぎ1本
生姜(皮をむく)1かけ
ほうれん草1束
にんじん1本
だし汁540cc
小さじ2
少々
大さじ2
水溶き片栗粉適量

作り方

  1. えりんぎ・しめじ・生姜・長ねぎはみじん切りにし、豚ひき肉とともに多めの油で炒める。
  2. 1にだし汁・塩・酒を入れ、水溶き片栗粉を加えて少しとろみをつけ、鍋のベースにする。
  3. にんじんはピーラーで薄くスライスし、ほうれん草は半分ぐらいの長さにカット。
  4. 2に3ともやし、まいたけを加えながら、火が通ったところからできたてを食べていく。

作り方のコツ みじん切りにフードプロセッサーを使う場合は、食材を小さく切って入れる。

あんかけ風ラーメン

シメあんかけ風ラーメン

とろりとしたスープと、みじん切りにした具材が麺に絡む

材料と作り方(4人分)

残ったスープにゆでた麺2玉を加え、ひと煮立ちしたら、できあがり。おわんによそったら、お好みで刻んだザーサイをのせて。

POINT
野菜やきのこからどんどん水分が出るので、ベースとなるスープのあんは、あらかじめ硬めに作っておきましょう。

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Day2:旬のブリごまダレ鍋

こっくりとした、ごまと味噌のやさしい味わいがクセになる

材料(4人分)

雪国まいたけ2パック
雪国しめじ1パック
水菜1束
柚子1個
ブリの切り身4枚
だし汁720cc
白ごまペースト大さじ3
味噌大さじ3

作り方

  1. だし汁に白ごまペースト、味噌を加えてひと煮立ち。
  2. きのこを食べやすい大きさにさき、ブリの切り身とともに1に加える。
  3. 2に火が通ったら、食べやすい長さにカットした水菜を加える。
  4. 柚子の皮を細切りにし、添えたらできあがり。

作り方のコツ 柚子は皮をむいたら裏の白いワタを包丁で削ぎ、黄色の部分だけ使う。

あんかけ風ラーメン

シメごま風味おじや

きのことブリの旨味を、ぎゅっとごはんに封じ込めて

材料と作り方(4人分)

残ったスープにごはんを軽く2膳加え、水分がなくなるまで煮る。焦げつかないよう、時々混ぜて。おわんによそったら、柚子と七味唐辛子をお好みでのせる。

POINT
ブリは煮え立てを食べるのがおいしい。きのこのシャキッとした歯ごたえと一緒に、楽しんでください。

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Day3:きのこと鱈のじゃがいもポタージュ鍋

大人も子どもも食べやすい。具だくさんのスープ感覚でどうぞ

材料(4人分)

雪国まいたけ2パック
雪国えりんぎ1パック
じゃがいも4個
キャベツ1/2個
鱈の切り身2枚
だし汁720cc
醤油大さじ2
大さじ2
ハーブ(ディル、パセリなどを
お好みで)適量

作り方

  1. じゃがいもは皮をむき、小さめに切って、だし汁とともに柔らかくなるまで煮る。
  2. じゃがいもが柔らかくなったらハンドミキサーなどでポタージュ状にし、醤油と酒で味つけ。
  3. きのこ・キャベツ・食べやすい大きさに切った鱈を2 に加える。
  4. お好みでハーブをのせ、できあがり。

作り方のコツ ホロホロと煮くずれる男爵(じゃがいも)は、ポタージュにしやすい。

あんかけ風ラーメン

シメチーズ入りリゾット

こっくり大満足。ごはんを入れず、翌朝パンにつけても

材料と作り方(4人分)

ごはんを軽く2膳と、とろけるタイプのチーズを適量加え、ひと煮立ち。器によそったら、仕上げに黒こしょうをひく。ハーブはお好みで。

POINT
じゃがいもを柔らかく煮る際は、一気にボコボコ煮立てないこと。じっくりしっかり火を入れると、甘みが出ます。

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Day4:まいたけと鶏むね肉のヘルシー鍋

食欲をそそる香りと色どり。ピリリとラー油がアクセント

材料(4人分)

雪国まいたけ2パック
鶏むね肉1枚
片栗粉適量
海老8尾
ニラ1束
ラー油適量
だし汁720cc
醤油大さじ2

作り方

  1. まいたけは食べやすい大きさにさき、海老は背わたをとっておく。
  2. 鶏むね肉を薄くスライスし、片栗粉を全体にまぶす。
  3. 鍋にだし汁と醤油を入れ、ひと煮立ちしたら鶏むね肉を入れる。
  4. 3にまいたけ・海老・食べやすい長さにカットしたニラを加える。
  5. お好みで、仕上げにラー油をひとたらし。
POINT
カロリー控えめの鶏むね肉。片栗粉をまぶすことで、滑らかな口あたりに。

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Day5:細切り大根と鮭のきのこ酒粕鍋

おわんによそって、湯気をふうふう。ほんのり酒粕香る、あっさり鍋

材料(4人分)

雪国まいたけ2パック
雪国しめじ1パック
大根1/2本
鮭の切り身4枚
春菊1束
長ねぎ1本
酒粕100g
だし汁720cc
醤油大さじ2

作り方

  1. 鍋に入れただし汁に酒粕を溶き、醤油を加える。
  2. 大根は拍子木切りに。鮭の切り身はぶつ切り、長ねぎは斜めにカット。きのこは食べやすい大きさにさく。
  3. あたためた1に、2を加える。
  4. 具材に火が通ったら、食べやすい長さにカットした春菊を加え、ひと煮立ちしたらできあがり。
POINT
塩鮭や荒巻鮭を使ってもおいしい。その場合、醤油は使わず鮭の塩分だけでOK。

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Day6:焼き玉ねぎ入りすき焼き風鍋

肉を柔らかくしてくれるまいたけはすき焼きにぴったり

材料(4人分)

雪国まいたけ2パック
雪国えりんぎ1パック
牛肉400g
玉ねぎ4個
焼き豆腐1丁
白滝1袋
春菊2束
(市販品でも可。作る場合は醤油200cc、みりん150cc)
わりした350cc
油(もしくは牛脂)適量
生卵4個

作り方

  1. 皮をむいた玉ねぎを、4等分にカット。
  2. 鍋に油(もしくは牛脂)をひき、玉ねぎに焦げ目がつくよう焼く。その際、あまり動かさないように。
  3. きのこ・牛肉・焼き豆腐・白滝・春菊を加え、わりしたで味をつける。
  4. ひと煮立ちしたら、できあがり。生卵を絡めてどうぞ。
POINT
玉ねぎからしっかり甘みが出るので、わりしたを作る場合は、砂糖を使いません。

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Day7:白菜と肉巻ききのこ鍋

きのこを肉で巻く。このひと手間がひと口で「おいしい」の秘訣

材料(4人分)

雪国まいたけ2パック
雪国しめじ1パック
白菜1/2個
薄切り豚バラ肉200g
ミニトマト8個
だし汁720cc
醤油(できれば淡口醬油)
 大さじ2
大さじ2

作り方

  1. きのこは食べやすい大きさにさき、半分の長さに切った薄切り豚バラ肉で巻く。
  2. 白菜は根元の硬い部分は拍子木切りにし、柔らかい葉の部分は大振りにザク切り。
  3. 鍋にだし汁、肉で巻いたきのこ、ミニトマトを加え、蓋をして肉に火が通るまで煮る。
  4. 仕上げに酒と醤油を加え、ひと煮立ちしたらできあがり。
POINT
肉に火が通れば、きのこにも火が通っています。下ゆでの必要はありません。

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つけダレでお好みにアレンジ

土鍋のあつかい方をおさらい

  1. 下準備

    初めて使う場合は、8分目ぐらいまで米の研ぎ汁を入れ、火にかける。ひと煮立ちさせ、冷めたら中身を捨てて真水で洗う。
  2. 火加減

    火にかけたらまずは中火、煮立ったら弱火に。一度あたたまると保温効果の高い土鍋。急激な加熱や冷却に弱いので注意。
  3. 洗い方

    冷めたら真水とたわしで洗う。基本的に洗剤は使わないが、よほど油分やにおいが気になる場合は少量使ってもOK。
  4. 保管

    乾いた布でよく拭き、しっかりと乾かしてからしまうこと。鍋同士があたり割れるのを防ぐため、布で包むと安心。

今回の料理人

イチカワヨウスケさん

イチカワヨウスケさん

1976年、鎌倉生まれ。京都の料理屋、鎌倉のカフェを経て、2004年に鎌倉野菜を使った『なると屋+典座』を開店。雑誌・広告へのレシピ提案のほか、教室や調味料監修なども。著書 に『「なると屋+典座」の野菜をいただく』(主婦と生活社)ほか。

 

なるとや+典座
http://narutoya-tenzo.com/

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