「天麩羅処ひらお」で使用する食材は、ひとつひとつこだわり、代表の青柳さん自らセレクトするという。天ぷらの具材をセレクトする時には、見た目と美味しさはもちろん食感にこだわり一口目の食感が良いものが選ばれる。ピーマンは肉厚でみずみずしく、なすはジューシーで歯切れがいい。かぼちゃは甘く、ほっくりとしている。同じ野菜でも品種が違えば味わいや食感は異なる。食材を選ぶ際には生で食べることもあるという。実際に白まいたけを選んでいただいた際にもなんと生で試食したという。
もちろん天ぷら衣にもこだわりがある。約30年前から製粉会社でオリジナルの粉を作り使っている。そして粉だけではなく、生地の溶き方でも食感が変わってくるという。溶き方だけでもなんと半年の修行を経て、やっとお客様に提供できるまでになるそうだ。
また、美味しさの秘密は揚げ油にも隠されていた。「天麩羅処ひらお」の揚げ油は継ぎ足し方式なのだという。揚げ油にそれまで天ぷらで揚げた素材のうま味が出汁として染み出ているから、自宅で揚げた時の天ぷらとは全く違う、プロの味になるのだという。

今回、白まいたけを使ったメニューはもちろん『白まいたけの天ぷら』。サクサクの衣にまいたけのシャキシャキ食感が言葉にならないほど美味しい。白まいたけ特有の歯切れの良さがまた良いのだが、1口目で塩をつけてそのままの風味を楽しみ、2口目は天つゆ・大根おろしとの相性の良さを味わう。1個20～25gほどの白まいたけを使用しているそうで、ちょうど一口～二口の大きさなのだという。飽きが来ず、でもまだ食べたい、そんな絶妙な量なのだと青柳さんが教えてくださった。
驚いたのが風味と香りである。「こんなにまいたけの風味と香りがしっかり残っている天ぷら初めて食べた…」天ぷらをいくつも食べてきたきのこメーカーの社員が感動するほどの美味しさである。
「天麩羅処ひらお」の人気者、柚子が効いた『いかの塩辛』との相性も良く、福岡に訪れた際には並んでも食べてほしい、そんなメニューである。

※本内容は2023年12月13日時点での情報です。実際のメニューとは異なる場合がございます。