松阪駅から少し歩いた先にある、高級感ある建物が和田金さんである。豪華なエントランスには大きなふき抜け、足元には赤い絨毯が広がっており、まるで高級旅館のようである。仲居さんが丁寧に出迎えてくれ、エレベーターをのぼり個室まで案内してくれる。それだけでも非日常的で、特別感のある体験である。地元でも憧れのお店として、成人や還暦のお祝い、両家顔合わせなど人生の節目のタイミングで利用するお客様が多いという。

和田金さんといえば『寿き焼』。糸こんにゃくや白菜など水分のでる食材は使わず、砂糖、たまり醤油、昆布だしだけで仕上げる関西風のすき焼きである。お肉はもちろんのこと野菜もひとつひとつにこだわり、全素材が主役となるようなものを選んでいるという。こだわりは食材だけにとどまらず、加熱に使用する炭は特注のものを使用している。その菊炭を使用することで食材にじんわりと火が通り、素材の食感や味わいを存分に楽しめる仕上がりとなるという。調理は仲居さんが行い、お話をしながら一番美味しいタイミングでお肉や野菜をお皿に運んでくれる。

和田金さんが白まいたけの取り扱いを始めたのは今から8年程前。2014年頃に、『寿き焼』の使用食材を見直したことがきっかけである。クセの強い食材ではなく、主張しながらもバランスを崩さない食材を選出。何度も試食を重ね、様々な食材の中から白まいたけが採用された。

白まいたけが運ばれてくると、色も見た目もキレイで珍しいので、お客様も驚き、「なんのきのこですか？」とよく尋ねられるという。仲居さんは「白まいたけは、雑味がなくクセがない。すき焼きで白まいたけを食べると、甘い香りが鼻を通るんです！試食の際に、炭火で焼いて塩だけで食べましたけど、それも本当に美味しかったです」と話す。

※2023年8月31日時点の情報です。実際のメニューとは異なる場合がございます。