気候変動への対応

基本的な考え方

地球温暖化にともなう気候変動は、異常気象や自然災害を引き起こす可能性があり、国際社会が一体となって取り組むべき課題です。2015年に開催された第21回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)ではパリ協定が採択され、世界共通の長期目標として「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力を追求する」ことが掲げられました。
一方で、気候変動は、原油価格の高騰や原材料価格の値上げなど、雪国まいたけグループの事業に影響を及ぼす可能性も少なくありません。気候変動への対応は、世界全体と、雪国まいたけグループの持続可能性にとって重要な課題であると認識し、温室効果ガス排出量の削減に取り組んでいます。

温室効果ガス排出量の削減目標

雪国まいたけグループでは、気候変動のリスクを軽減するため、温室効果ガス排出量削減に向けた取り組みを推進しています。2021年度からは、温室効果ガス排出量(スコープ1・2・3を含む)の集計を開始し、2030年度までに温室効果ガス排出量を35%削減(2020年度比、排出量原単位・生産量ベース)する目標を設定しました。さらに、2050年度には「温室効果ガス排出量ネット・ゼロ」を目標に、調達から生産、物流、流通に至るバリューチェーン全体に亘る削減に取り組んでいきます。

スコープ別温室効果ガス排出量(2023年3月期)

スコープ別温室効果ガス排出量(2023年3月期)
スコープ/カテゴリ 排出量
(t-CO2
割合(%)
スコープ3 スコープ1~3
サプライチェーン排出量 163,035   100
スコープ1 28,277   17.3
スコープ2 48,489   29.7
カテゴリ1 購入した製品・サービス 42,639 49.4 26.2
カテゴリ2 資本財 9,123 10.6 5.6
カテゴリ3 Scope1、2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動 11,279 13.1 6.9
カテゴリ4 燃料、配送(上流) 5,968 6.9 3.7
カテゴリ5 事業から出る廃棄物 2,633 3.1 1.6
カテゴリ6 出張 309 0.4 0.2
カテゴリ7 雇用者の通勤 2,353 2.7 1.4
カテゴリ8 リース資産(上流) 0 0 0.0
カテゴリ9 燃料、配送(下流) 1,115 1.3 0.7
カテゴリ10 販売した製品の加工 271 0.3 0.2
カテゴリ11 販売した製品の使用 6,691 7.8 4.1
カテゴリ12 販売した製品の廃棄 3,888 4.5 2.4
カテゴリ13 リース資産(下流) 0 0 0.0
カテゴリ14 フランチャイズ 0 0 0.0
カテゴリ15 投資 0 0 0.0
スコープ3 86,270 100 52.9
  • ※ 対象範囲は雪国まいたけ、三蔵農林、瑞穂農林
  • ※ 算定係数はIDEA並びに環境省データベースを使用。データベースが存在しないものはシナリオを作成し算定。
  • ※ (株)雪国まいたけは2023年4月1日付で子会社である(株)三蔵農林を吸収合併いたしました。

温室効果ガス排出削減目標

温室効果ガス排出削減目標
  • ※ (株)雪国まいたけは2023年4月1日付で子会社である(株)三蔵農林を吸収合併いたしました。

目標達成へのロードマップ

2030年度の削減目標の達成に向け、短期・中期・長期のロードマップを策定しています。各施策を実施することで、スコープ1・2で約45,800t-CO2、スコープ3で約16,700 t-CO2の削減を目指します。また、社会における様々な技術の進歩や革新などにより、新たな削減施策も引き続き検討・実施していきます。

目標達成へのロードマップ

主な取り組み

調達での取り組み

副産物の培地原料利用

温室効果ガス排出量の削減と資源の有効利用のため、きのこ栽培の培地原料に木材の建築用製材過程で発生するオガ粉や、小麦粉生産の際に発生するフスマといった副産物を利用しています。副産物を使用することで18,243t-CO2 分の排出削減に貢献しています。

  • ※ 基準年(2020年度)ベースで算定
  • ※ ある製品をつくるプロセスで生まれる副産物を「リマインダーフロー」といい、温室効果ガスの算定に使用するIDEA(原単位データベース)においては算定の対象外となるため、温室効果ガスの排出削減につながります。

生産での取り組み

LED照明、地下水利用による省エネルギー化

きのこ栽培センターでは、消費電力の少ないLED照明の使用や、栽培室内の温湿度のコントロールに雪国の豊富な地下水を利活用することで、栽培時の省エネルギー化に努めています。

バイオマスエネルギーの活用

栽培に使用した後のオガ粉をバイオマスボイラーの燃料として使用しています。再生可能エネルギーとして有効活用することで、化石燃料の使用量を大幅に削減しています。

LNG(液化天然ガス)への転換

栽培センターで使用する燃料に、温室効果ガス排出量の少ないLNG(液化天然ガス)を使用しています。2021年1月に導入した五泉バイオセンターに続き、2022年10月には第3バイオセンターへの導入を実施しました。これにより、2023年3月期のスコープ1におけるGHG排出量は生産量あたり対前年比で、五泉バイオセンターでは約13.1%、第3バイオセンターでは約10.8%削減しました。

物流での取り組み

鉄道輸送へのモーダルシフト

2017年からクールコンテナを利用した鉄道輸送を実施しています。これによりトラックによる輸送の場合と比べ、約8割のCO2排出削減に貢献しています。

包括管理による配送トラック便数削減

2021年度より販売物流部を立ち上げ、生産・販売・在庫から物流までの包括的な管理・運営を行うことで、トラックの積載率を向上し、車輌台数の最適化を進めています。

オフィスでの取り組み

本社ビルのエネルギー使用効率改善

新潟県南魚沼市の雪国まいたけ本社ビルは、2020年度に照明のLED化や施設の改修による冷暖房効率の改善を実施しました。これにより、2021年度の本社ビルにおける電力使用量は、2019年度比で112,994kwhの削減となりました。
今後は、グループ会社においてもエネルギー使用効率の改善を検討していきます。

クールビズ&ウォームビズの実施

雪国まいたけは2007年より、グループ全体でクールビズ&ウォームビズを実施しています。通年ノーネクタイを可とし、各個人が気温に応じた服装を選択することで、極端な空調温度設定を防ぎ、オフィスの消費電力の削減に取り組んでいます。

エネルギー使用量/原単位(2023年3月期)
種類 雪国まいたけ 三蔵農林 瑞穂農林 グループ計
総量 TJ 2,827.3 64.6 284.4 3,176.3
原単位 TJ/t 19.77 32.64 3.15 18.54
  • ※ A重油、揮発油、軽油、灯油、LNG、LPG、オガボイラー、電力の総量
  • ※ (株)雪国まいたけは2023年4月1日付で子会社である(株)三蔵農林を吸収合併いたしました。