事業等のリスク

当社グループは、事業展開上のリスクになる可能性があると考えられる主な要因として、以下の事項を認識しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の回避と予防に取り組んでおります。
なお、文中に記載している将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき当社グループが判断したものであり、実際の結果と異なる可能性があります。

(1)国内事業活動について

  1. ① 経済状況
    当社グループの事業活動は、現在、その大部分が日本国内市場にて行われております。したがって、日本国内における景気の後退に伴う需要の減少、消費動向の変動等は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
  2. ② 食の安全
    当社グループでは、製品の安全性を保証するため、「重金属検査」「農薬検査」「放射能検査」「衛生検査」を実施する等高度な検査体制を構築し、食品会社の存立基盤となる「安全・安心」を確保するために、万全の体制で臨んでおります。また、異物混入を防御するとともに、異常が無いことを証明できる体制づくりを行っております。
    しかしながら、当社グループにおいても、偶発的な事由によるものを含めて、異物混入や誤表示等、消費者に健康被害を及ぼす製品事故が発生するほか、社会全般にわたる重大な品質問題等、当社グループの取り組みの範囲を超えた事象が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
  3. ③ 気候、天候条件による需要動向
    当社グループの主要製品であるきのこの需要には、季節変動(9月~12月が最需要期、1月~3月が需要期、4月~8月が非需要期)があります。この季節変動に加え、きのこの需要は、一般野菜市場の影響を受けることから、一般野菜の需給に大きく影響を及ぼす気候・天候条件を起因とした影響を受けることがあります。野菜市況が長期にわたって低価格で推移する等、その影響が大きい場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
  4. ④ 自然災害
    当社グループは、国内の複数地域に合計17拠点(本社、営業拠点8か所、生産拠点・研究開発センター8か所)を有しておりますが、地震や台風等の大規模な自然災害が発生し、生産設備の破損、物流機能の麻痺等、当社グループの危機管理対策の想定範囲を超えた被害が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
  5. ⑤ 仕入コスト
    当社グループの生産工程において、栽培環境設備の燃料として重油を使用しております。当社は生産工程においてさまざまな省エネルギー対策を行っておりますが、原油価格が高騰した場合は、燃料費の上昇や電力費・荷造包装費の上昇等に繋がり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)主要製品への依存について

当社グループの主要製品はまいたけ、エリンギ、ぶなしめじで、売上収益の57.7%をまいたけが占めております。当社グループでは、これら製品の緊密な生販連携に加え、生産技術の革新、機能性研究の推進によりマーケット需要の創造や当社の市場シェア拡大を図っておりますが、これら製品、特にまいたけの需要が大幅に縮小した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)人材確保について

当社グループが、今後さらなる業容拡大を図るためには、パート・アルバイト労働者、外国人労働者の活用を図りつつ、優秀な人材の確保と育成が重要課題であると認識しております。
今後、労働力の減少による人材確保競争の激化、景気回復、雇用環境の好転に伴う賃上げ圧力の増大、処遇格差の縮小を目的とする各種労働関連法、出入国管理及び難民認定法の改正等に起因して労働コストが大幅に増加、もしくは、社内人材の育成が進まない場合、人材が外部に流出した場合、採用自体が困難になった場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、近年は積極的に外国人技能実習生を雇用しているため「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」、「出入国管理及び難民認定法」等の規制も受けており、これらの法令等に違反し行政処分等を受けた場合には、業務の円滑な遂行に影響を及ぼす可能性があります。

(4)個人情報管理について

当社グループは、事業推進にあたりパート・アルバイト労働者、外国人労働者を積極的に活用していることから、多くの個人情報を取り扱っております。そのため当社グループでは、「個人情報取扱規程」を制定し、個人情報を厳格に管理するとともに、コンプライアンス研修等を通じて継続的に社員教育を行う等、管理体制の構築に積極的に取り組んでおります。しかしながら、今後、個人情報の流出等の問題が生じた場合には、損害賠償請求その他の責任追及や当社グループに対する信用低下等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)業績の季節変動について

当社グループの主要製品であるきのこの季節性より、春から夏にかけては需要が低調に推移することから単価は安く、秋から冬にかけては需要が拡大することから単価も上昇するという傾向にあります。したがって、通常の市場動向であれば、当社グループの売上収益は、需要が拡大する第3四半期から第4四半期にかけて増加する傾向があります。そのため、特定の四半期業績のみによって通期の業績見通しを判断することは困難であります。

なお、2022年3月期の当社グループの四半期業績の推移は以下のとおりであります。

(単位:百万円)

(会計期間) 2022年3月期
第1四半期
2022年3月期
第2四半期
2022年3月期
第3四半期
2022年3月期
第4四半期
売上収益 6,587 7,229 10,407 8,219

営業利益

201 2,349 2,900 △475

(6)他社との競合について

当社グループは、主力製品であるきのこ類の緊密な生販連携に加え、生産技術の革新、機能性研究の推進によりマーケット需要の創造や市場シェア拡大を図っております。しかしながら、消費者のニーズの変化や業界のコスト構造の変化等により、当社グループが属する市場の規模が想定したほど拡大しない、当社グループの市場シェアが低下する、他社の増産等業界競争の激化に伴う価格下落圧力が生じる場合等は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(7)法的規制等の変更について

当社グループは、事業を遂行していくうえで、種苗法や農林物資の規格化等に関する法律等、法的規制の適用を受けております。将来において、予期し得ない法的規制等の変更又は新設があった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(8)訴訟その他の法的手段について

当社グループは、その事業の過程で、各種契約違反や労働問題、知的財産権に関する問題等に関し、顧客、取引先、従業員、競合他社等により提起される訴訟その他の法的手続の当事者となるリスクを有しております。当社グループが訴訟その他の法的手続の当事者となり、当社グループに対する敗訴判決が言い渡される又は当社グループにとって不利な内容の和解がなされる場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(9)知的財産権の侵害

当社グループの事業分野における他社の知的財産権の保有や登録等の状況を完全に把握することは困難であり、当社グループが意図せず第三者の特許権等を侵害する可能性や、今後当社グループの事業分野において第三者の特許権等が新たに成立し、当社グループを当事者とする知的財産権の帰属等に関する紛争が生じたり、当社グループが知的財産権の侵害等に関する損害賠償や使用差止等の請求を受けたりする可能性があります。
また、当社グループが第三者と提携や合弁等を行うことにより、当該第三者が締結している契約に基づく知的財産権に係る制約を受けたり、第三者に対する新たな対価支払いを強いられたりする可能性もあります。
これらの結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(10)取引先の信用リスクについて

当社グループでは、取引先の信用リスクについては細心の注意を払い、与信設定等を通じてリスクの管理を行っておりますが、取引先の業績悪化等により取引額の大きい得意先や仕入先の信用状況が悪化した場合、当該リスクの顕在化によって当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(11)減損会計について

当社グループは、多額ののれんを計上しているとともに、事業用資産としてのさまざまな有形・無形の固定資産を所有しております。
当社グループののれんは、旧商号BCJ-22が旧雪国まいたけ②を2015年4月に子会社化、旧雪国まいたけ④が有限会社三蔵農林(現 株式会社三蔵農林)を2019年10月に子会社化した際に発生し、2022年3月末時点ののれんの金額は5,187百万円で、総資産額に占める割合14.4%となっております。
当社グループの連結財務諸表はIFRSを採用しておりますので、のれんは非償却性資産であり毎期の定期的な償却は発生しませんが、今後、これらの資産に係る事業収益性が低下した場合等には減損損失が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。のれんの減損に係るリスクを低減するため、事業の収益力強化に努めております。
また、IFRSにおけるのれんの会計処理について、国際会計基準審議会では償却処理の再導入も含め見直しを行っていることから、当該会計基準の変更があった場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(12)多額の借入金及び金利の変動について

当社グループは、金融機関を貸付人とする借入契約を締結し多額の借入れを行っており、2022年3月末における有利子負債比率((借入金+1年内返済予定の長期借入金+リース負債)÷資本合計)は181.9%であります。当社グループでは、金利上昇によるリスクを軽減するため、金銭消費貸借契約の変更によるスプレッドの引き下げ等の施策は講じておりますが、急激で大幅な金利変動が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの借入金の一部には財務制限条項が付されており、かかる財務制限条項については具体的な数値基準が設けられております。これに抵触する場合、貸付人の請求があれば当該契約上の期限の利益を失うため、ただちに債務の返済をするための資金の確保が必要となります。財務制限条項への抵触による一括返済リスクに対応するため、余資による期限前返済や財務コベナンツに係る各種数値の取締役会への報告等を行っておりますが、何らかの事象によって当該条項への抵触が生じる場合は、当社グループの財政状態及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があるとともに、かかる資金の確保ができない場合は、当社グループの他の借入れについても期限の利益を喪失することが予測され、当社グループの存続に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、財務制限条項の主な内容は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表_連結財務諸表注記 17.借入金」に記載しております。

(13)株式会社神明ホールディングスとの関係について

  1. ① 資本関係、人的関係等
    当社は、株式会社神明ホールディングスから出資を受け入れております。当連結会計年度末現在において、株式会社神明ホールディングスは当社発行済株式総数の50.07%を保有しており、当社は株式会社神明ホールディングスの連結子会社であります。また、当社の取締役である藤尾益雄を株式会社神明ホールディングスから招聘しているほか、出向者を1名受け入れております。また、当社は、株式会社神明ホールディングスのグループ会社に対して当社製品の販売を行っております。
  2. ② 株式会社神明ホールディングスのグループ経営管理
    株式会社神明ホールディングスのグループ経営管理に関して、当社が同社の事前承認を必要とする事項はありません。
    また、同社から当社に対する役職員の派遣や各種取引に関しては、少数株主保護の観点で問題がなく、かつ、必然性及び経済合理性が認められる範囲において、各社の経営判断のもとに実施する方針とされております。当社の側でも、同社のグループ経営管理に関して、当社の経営の独立性が阻害されることがないよう、独立役員を確保するとともに、独立役員が過半数を占める任意の指名・報酬委員会を設置する等の措置を講じております。また、当社では、少数株主保護の観点よりコーポレートガバナンス・コードに準じ、2021年12月より新たに独立社外取締役にて構成される特別委員会を設置し、支配株主である同社との重要な取引・行為についての審議・検討及び継続取引について妥当性確認を実施し、取締役会に対し答申を行っております。その他、同社グループとの各種取引について、「関連当事者取引管理規程」に基づいて、当社の取締役会の決議を経て実施することとしており、既存の取引についても取締役会での決議を経て、実施しております。
  3. ③ 神明ホールディングスグループにおける当社の位置付け
    神明ホールディングスグループは、米の卸売事業を基軸として、「川上から川下までの食のバリューチェーン」構築を目指しており、その上で、米の卸売事業の周辺事業に止まらず、食品製造業への進出も同社の成長戦略の一つとして位置付けております。当社グループは、当該成長戦略の一翼を担っております。
    また、現在、神明ホールディングスグループには、当社グループ以外に、きのこの製造販売やそれに類似する事業を営む企業が存在しないため、当社グループとその他の神明ホールディングスグループ企業との間で事業の競合は発生しておりません。
    当社グループとその他の神明ホールディングスグループ企業との間には、当社が従来まいたけの消費量の少なかった西日本等で販売拡大に取り組む場合等での神明ホールディングスグループのネットワークの活用や、米ときのこを組み合わせた商品開発と小売店・外食チェーンでの展開、広域量販店を中心とした両社の商品のクロスセル推進等の形でシナジーが見込まれ、当社及び株式会社神明ホールディングスは、両社の協働を通じて、それぞれにおいて企業価値向上を図ることができる関係にあると考えております。
  4. ④ 今後の関係
    2017年7月の株式会社神明ホールディングスの当社への出資後に新たに開拓された神明ホールディングスグループと当社グループの取引は、徐々に増加しております。当社グループとしては今後も神明ホールディングスグループとの取引拡大に向けて株式会社神明ホールディングスと協業を継続していく方針であります(なお、神明ホールディングスグループとの取引は、他のクライアント企業と同様の取引条件で行っており、今後も同様の方針であります。)。
    株式会社神明ホールディングスは当社株式を安定保有する意向を有しているため、当社と株式会社神明ホールディングスの関係について重大な変化は生じないものと認識しております。しかしながら、将来において、何らかの要因により株式会社神明ホールディングスが経営方針や営業戦略(当社株式の保有方針も含む。)を変更した場合、当社株式の流動性及び株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。また、株式会社神明ホールディングスが過半数の当社株式を保有しており、当社の役員の選解任等の当社の株主総会決議の結果に重要な影響を及ぼす可能性があります。
    このように、株式会社神明ホールディングスは、当社について他の一般株主と異なる利害関係を有しており、一般株主が期待する議決権の行使その他の行為を行わない可能性があります。

(14)中期経営計画について

当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な経営戦略等」に記載のとおり、2021年11月に「中期経営計画(2022年3月期~2026年3月期)」を公表しております。
本中期経営計画は過去・現状を踏まえての現時点での想定に基づいて作成されていますが、今後における国内外の経済動向、地政学的リスク、消費者のニーズの変化、取引先の方針変更、テクノロジーの革新等により、かかる想定通りとならない、あるいは想定していない事象の発生等により、本中期経営計画における目標を達成できない可能性があります。

(15)新型コロナウイルスの感染拡大について

国内における新型コロナウイルス感染拡大の影響として、国内外における経済活動の不安定な状況により、各家庭での節約傾向が継続しております。今後も新型コロナウイルスの感染再拡大などが発生した場合、さらなる節約志向の高まりや外出控えによる小売店への来店頻度の減少等により、需要縮小の可能性や、感染拡大の状況によっては、取引先である小売店の臨時休業等の可能性もあり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループでは、新型コロナウイルス感染症拡大への対策として、緊急事態宣言発令対象都道府県では原則テレワークの実施、従業員への検温や不要不急の外出禁止依頼、手洗い、マスク着用の励行、発熱があった際の出社禁止等、これまで以上に厳しい対応を実施しております。それでも従業員への感染が拡大した場合は、工場の生産体制に影響し、保健所等の指導に基づき、消毒作業やきのこの廃棄の実施が必要となる可能性があり、状況によっては出荷の抑制が必要となる可能性があります。また、これらによる風評被害を受ける可能性もあります。
さらに、当社グループでは、海外実習生等の入職、期間満了による帰国を予定しておりますが、世界的な感染状況により、渡航制限等の長期化・変更が発生した場合、生産人員計画に影響を及ぼす可能性があります。

(16)気候変動について

地球温暖化に伴う気候変動は、集中豪雨や台風の増加等、異常気象による洪水・土砂災害や酷暑、異常な暖冬といったさまざまな被害を引き起こす可能性があります。当社グループにおいては、世界規模での気候変動により、原油価格の高騰による原材料価格の値上げ、消費者の消費志向の変化等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、2021年11月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明するとともに、同年12月にはサステナビリティ推進委員会を新設し、サステナビリティ方針の策定や温室効果ガス(以下「GHG」という。)サプライチェーン排出量の算定並びにGHG排出削減へのロードマップ策定に取り組んでまいりました。今後は2050年度での当社グループのGHG排出量ネット・ゼロを目指し、再生可能エネルギーの導入検討やプラスチック使用量の低減、森林整備・保全活動等を引き続き実施し、持続可能な社会への貢献を図ってまいります。