TCFD提言に沿った情報開示

基本的な考え方

雪国まいたけは、2021年11月に、気候変動によってもたらされる企業の財務的影響について適切な情報開示を求める「TCFD (気候関連財務情報開示タスクフォース)提言」への賛同を表明しました。
当社グループは、これまでもエネルギー変換効率の高い代替エネルギーの活用や、きのこ製品の包装形態や包装資材変更によるプラスチック使用量の低減、地元からの原材料調達による物流CO2の削減など、環境負荷低減のための取り組みを進めてきました。TCFD提言への賛同を機に、より一層脱炭素社会の実現に向けた取り組みを加速させるとともに、TCFD提言に沿った情報開示を強化していきます。

ガバナンス

雪国まいたけは、気候変動への対応は経営上の重要な課題であると捉え、当社グループにおけるサステナビリティの方針、グループ全体の持続的な成長および社会課題の解決に向けた取り組みに関する重要な事項について審議し、取締役会に報告や提言を行う組織として、サステナビリティ推進委員会を設置しています。
同委員会は、代表取締役社長を委員長とし、常務取締役、執行役員、グループ会社社長で構成され、原則半期に1回開催しています。
委員会では、気候変動が事業に与えるリスク・機会の評価、サプライチェーンを含めた温室効果ガス排出量の削減に向けた目標設定および施策の検討、進捗状況のモニタリングなども行います。
また、取締役会では、サステナビリティ推進委員会から定期的に活動状況の報告を受け、気候変動を含めた環境全体の基本方針などの重要事項を審議しています。

戦略

地球温暖化にともなう気候変動は、集中豪雨や台風の増加、異常気象による洪水・土砂災害や酷暑、異常な暖冬や冷夏など、植生物の環境にさまざまな被害を引き起こす可能性があります。当社グループにおいても、世界規模での気候変動により、原油価格の高騰による原材料価格の上昇や、消費者の消費志向の変化など、事業や財務に影響を及ぼす可能性があります。
サステナビリティ推進委員会では、こうした気候変動に関する事業や財務への影響について、短期・中期・長期の視点で全社横断的に議論を進めています。現時点で想定されるリスク・機会については以下のとおりです。今後、シナリオ分析、財務インパクト評価を実施し、開示内容を精査していきます。

想定されるリスク・機会
大分類 中分類 小分類 想定される事業への影響 発現時期 対策
移行リスク 政策・法規制 炭素税の導入 化石燃料の価格上昇による生産・物流コストの増加。石油由来資源の価格上昇による包装資材(プラスチック)の調達コストの増加。 短期
中長期
  • 生産設備へのLNGの導入、バイオマスボイラーの導入
  • 水力発電などの再生可能エネルギーの活用
  • 配送方法の見直しによる輸送効率の向上
  • 容器包装の形態、材料の見直しによるプラスチック使用量の削減
  • 栽培に使用した後の菌床※をボイラー燃料としてリユース
物理リスク 慢性 気温の上昇、降水・気象パターンの流動化 気温上昇により、温度・湿度管理のための空調費用などが増加 短期
  • 高効率、省エネルギーな空調設備への切り替え
  • 気温変化の影響を受けにくい栽培技術や品種の開発
異常気象などによって、きのこ栽培の原材料であるオガ粉、ふすま等の副材料の調達が不安定化、価格が高騰 短期
中長期 
  • 培地の再利用比率の向上によるオガ粉の使用量削減
  • 「雪国まいたけの森づくり」活動を通じた活力ある森林整備と持続可能なオガ粉の調達
  • 気候変動の影響を受けにくい原材料を使用した品種の開発
機会 製品・サービス 低炭素・脱炭素に貢献し得る商品の開発・拡大 動物性食品から植物性食品への代替が進み、きのこを用いた新たな商材の創出機会が増加 短期
中長期
  • きのこ由来の代替素材を、タンパク質、代替皮革、パッケージ、建築、インテリアなどの用途に活用するための研究開発
消費者嗜好の変化 気候変動による感染症リスクへの懸念から、免疫力の向上に役立つきのこのニーズが増加 短期
  • 消費者へのきのこの効能の訴求により、年間を通してきのこを食する習慣を普及
レジリエンス 露地栽培よりも気象変化に左右されにくい施設栽培の作物であるきのこの販売機会が拡大 短期
  • 不安定な気候環境でも安定的に商品を生産・供給
  • ※ 菌床:木材を粉砕してつくられるオガ粉に、水やふすま(小麦粒の外皮や胚芽)などの栄養剤を混ぜ合わせたきのこ栽培の土台。

リスク管理

雪国まいたけは、当社グループを取り巻く気候変動に係るリスクおよび機会についてサステナビリティ推進委員会で検討しています。
同委員会の委員長である代表取締役社長が、気候変動に係るリスクに対する経営判断の最終責任を負うとともに、委員会で協議・決議された結果を取締役会に報告しています。
取締役会は、サステナビリティ推進委員会からの報告を受け、当社グループの環境課題への対応方針および実行計画等についての監督を行っています。

指標と目標

雪国まいたけは、気候変動の緩和に向け、当社グループにおけるスコープ1・2・3の温室効果ガス排出量を測定しました。2020年度を基準年としたうえで、2030年度と2050年度をターゲットとした削減目標を設定しています。2030年度に向けては、排出量原単位(生産量ベース)として基準年比33%の削減を目指します。さらに、2050年度には「排出量ネットゼロ」を目標に、調達から生産、物流、流通に至るバリューチェーン全体に亘って温室効果ガス排出量の削減に取り組んでいきます。

2030年度までの温室効果ガス排出量・原単位の削減目標(スコープ1・2・3合計)

2030年度までの温室効果ガス排出量・原単位の削減目標(スコープ1・2・3合計)